IPランドスケープという言葉の意味とは?
知的財産に少しでも興味がある方であれば、日本経済新聞の記事や雑誌、書籍などで「IPランドスケープ」という言葉を目にされたことがあるのではないでしょうか。
IPランドスケープという言葉は、ウィキペディアにおいて、「2017年4月に特許庁が公表した『知財人材スキル標準(Version 2.0)』において戦略レベルのスキルとして定義された用語である。」と解説されています。
またさらに、「日本国内においては以下のような様々な定義が存在し、主に「知財情報(主に特許情報)を経営戦略・事業戦略策定へ活用」と「知財を重視した経営」の2つの意味合いのいずれかで用いられることが多い。」と解説されています。
IPランドスケープを上手く取り入れることの難しさ。
しかしながら、世の中でIPランドスケープと呼ばれているものの多くは、特許等の知的財産の情報を解析して図示したマップ(パテントマップ)や表を作成する段階に過ぎないものが多く、IPランドスケープに積極的な一部の企業の事例を除いては、まだまだ「経営戦略」や「事業戦略」を構築するために十分使いこなせていないケースが多いです。
また、IPランドスケープを上手く取り入れている事例の大部分が、いわば恵まれた経営環境にある大企業のものであり、大企業であっても上手く取り組めていないところが多くあります。
ましてや、中小企業やスタートアップ企業等においては、なかなか上手くいっていないのが実情です。
知的財産を活用して会社を変えるための近道として。
IPランドスケープに上手く取り組めない主な原因として、経営や事業の責任者が知的財産について詳しくないケースが多いこと、IPランドスケープをはじめとする知的財産に関連する業務を行う人が経営戦略や事業戦略について詳しくないケースが多いことなどが考えられます。
こうした事情を考慮すれば、世の中に数ある経営戦略や事業戦略のなかから知的財産と相性の良いものを選び、その戦略とIPランドスケープとを組み合わせることが、知的財産を活用して会社を変えるための近道となります。